ヒト(スキルアップ)

新人薬剤師がやるべき学会/勉強会での勉強法

学会や勉強会に出たはいいけど、内容がよく理解できなかったり、先進的な内容すぎて参考にならなかったり…「あまり勉強にならなかった」と思ったことはありませんか?

これまで多くの学会や勉強会に参加してきたやくごろうが、新人薬剤師が学会/勉強会に参加したときによくある「あまり勉強にならなかった」を解決するために、新人薬剤師がやるべき学会/勉強会での勉強法を紹介します。

結論から言います。

その答えは「最初の10分に全神経を集中させる」です

それでは順番に見ていきましょう

I. 新人薬剤師が参加する学会/勉強会の種類について

勉強会や学会には様々な種類があります。

参加している学会/勉強会がどのようなものかを知らなければ、効率よく勉強することはできません。

まずはそれぞれの種類と特徴について紹介します。

I-I. 学会の学術集会

医療薬学会や日本病院薬剤師会など、各学会が年1回程度開催する大規模な学術集会です。

学術集会の中には、

教育講演演者が教科書に載っているような内容をまとめて講義する。
シンポジウム1つのテーマに対して複数の演者が講演する。業務に関する個別の事例が多い。「〇〇の施設では○○している」など。
一般演題個人が申し込んだ演題を短い期間で発表。新しい知見に関する意見など。
ポスターセッションポスターを貼って、みんなでそれを自由に見る形式。

これらのように様々な形式で勉強する機会があります。

I-Ⅱ. 学会や団体が行う勉強会・研修会

いわゆる勉強会と呼ばれるものです。大きく2つの形式に分かれます。

講義形基本的な知識~最新の知見まで講義形式で学ぶ
ディスカッション形式症例を提示され、みんなで答えを出す→答え合わせ

I-Ⅲ. 製薬企業が行う勉強会

ほとんど講義形式で、医師向けの勉強会が圧倒的に多いです。

教科書的な内容→最新の知見 の流れがほとんどで、終わった後に情報交換会があるのもこれが多いです。

学会や認定制度の単位にはほとんどなりません。

Ⅱ. 新人薬剤師の講義形式の勉強会で効率いい勉強法

 さまざまある勉強会のタイプのうち、新人薬剤師がもっとも参加する機会が多い講義形式での勉強会で効率よく勉強する方法をご紹介します。

Ⅱ-I. 準備

勉強会に参加する際に、準備するもの

①メモ帳

準備されている薄いメモ用紙や学会の要旨集は使わない。→あとで見返すことが少ないため。いつ見返すか分からないため、勉強会用ノートを作りましょう。
タブレットでデータ保存できればなお良いです。薄いメモ用紙などは保存しにくいため、使わないようにしましょう。
学会の要旨集もかさばるので、部屋の隅にしまわれる運命が待っています。

②スマホ

すぐに検索できるようにスマホを準備しておきましょう。

Ⅱ-I. 勉強会中にやること

①用語・略語をメモする

ここで躓くと、その後が全部呪文のように聞こえます。
”気腫合併特発性肺線維症(以下、CPFE)”など、最初の1回は略語の定義があることがほとんどです

②わからない用語はすぐに検索

”気腫合併特発性肺線維症”ってなんだ?と思ったら、スマホですぐに検索します。あまり時間をかけずに、さっと意味だけとらえることが重要です。
急に”CPFE”と言われた時も、「CPFE とは」で検索します。
正直、これをやるだけでも勉強会に出る価値があると思います。

③事実(標準治療)or 意見(先進的なこと)を区別する

勉強会の内容は、事実(標準治療)から専門家の意見(先進的なこと)まで幅広く扱われます。新人がまず学ぶべきは事実(標準治療)です。
意見(先進的なこと)はまだ標準でない治療や適応外の場合が多いので、参考程度にします。医師向け・製薬企業の勉強会は、標準治療をすでに知っている医師が対象なので「意見」が多めです。

原則、事実(標準治療)→ 意見(先進的なこと)の順で講演が行われます。

用語・略語・事実(標準治療)は、たいてい勉強会の”最初の10分”にある!

新人薬剤師が押さえておくべき基本知識は、勉強会の最初に登場します。

意見はあくまで意見なので、興味なければひたすら用語を検索する時間にします。

意見を全て吸収しようとすると、標準治療と混同してしまいがちです。

Ⅱ-Ⅲ. 勉強会が終わったら

  • 明日から使える知識を再確認
    • なんとなく勉強した気にならない
  • メモは見返せるようにしておく
    • いつ必要になるか分からない。
      〇 データとして保存
      〇 ノートにする
      × メモ用紙
      × 学会の要旨集(経験上、ほとんど見返さない!)
  • できれば、誰かにしゃべる
    • 「先輩、勉強会でこんなこと学んだんですよ。これって本当にそうなんですか?」

Ⅲ. 新人薬剤師の学会/勉強会での勉強法:最初の10分に集中!

勉強会にはいろいろな種類があります。

どんな勉強会でも、
略語・用語・事実(標準治療)を抑えれば確実に自分の知識になります!

これらの多くは”最初の10分”にあります。

勉強会は”最初の10分”に全神経を集中させる!

を是非意識してください!

やくごろう

内容がわからなければ、残りの時間はひたすら検索する時間にしましょう。

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