モノ(職場)

ママ病院薬剤師に知ってほしいリアルな職場環境

こんにちは、病院薬剤師のやくごろうです。

今回は、「ママ病院薬剤師に知ってほしいリアルな職場環境」についてです。

やくごろうは普段病院薬剤師として、多くのママ病院薬剤師と一緒に働いています。
いや、「一緒に働いている」というより、「いつも助けてもらっている」の方が正しいです。(いつも本当にありがとうございます)

また、新人教育担当をしていた時期もあり、新人→ママ病院薬剤師になったという仲間にもたくさん出会ってきました。

とにかく言えることは、

ママ病院薬剤師は優秀な人が多い!

ということです。

薬剤師という職種は、女性が多く活躍する職種です。

しかし、病院薬剤師という職業は

  • とにかく激務
  • 仕事も勉強も大変

というイメージがあり、優秀なママ病院薬剤師でもキャリアを諦める人も多いのも事実です。

そこで、今回はママ病院薬剤師に知ってほしいリアルな現実について解説していきます。

ママ病院薬剤師を待ち受ける厳しい職場環境

病棟業務が難しい

病棟業務は、病院薬剤師としてとてもやりがいのある業務ですが、

  • 病棟業務は残業が多い
  • 時短勤務が難しい
  • 急な休みの際に、代理を依頼しなければならない

という特徴もあります。

認定の取得や更新をあきらめる人が多い

症例が必要な認定・専門や、研修会の単位が多いものは取得のハードルが高いです。

ママになる前に一生懸命取得した認定や専門であっても、症例や単位が足りずに更新を諦めてしまう人が本当に多くいました。

レジデント制度と相性が悪い

大学病院など、大規模な病院はレジデント制度から採用しているところがあります。

通常、レジデント→正職員の道が用意されているところが多いです。
しかし、レジデント期間中の産休は、レジデント修了後の進路が狭くなる大きな要因となります。

ママ病院薬剤師の活躍が期待される業務

実は…ママ病院薬剤師の需要は多い!

これらの悲しい現実はありながらも、実はママ病院薬剤師の需要は多いって知っていましたか?

2020年度診療報酬改定では、病院薬剤師業務の常勤配置が大きく緩和されました。
まさに、病院薬剤師は空前の人手不足状態ということですね。

さらに、最近はママ病院薬剤師に期待される業務が増えつつあります。

期待される業務について解説していきます。

ママ病院薬剤師に…
  1. 以前から期待されている業務
    • 調剤業務
    • DI業務
  2. これから特に期待される業務
    • 入院支援業務
    • 外来化学療法

調剤業務

複数人で協力して働くため、時間通り終わりやすい業務です。

多くの場合、忙しいピークタイムが時短勤務の勤務時間と重なるため、大活躍されています。

ママ病院薬剤師が調剤業務に入ってくれると、若手薬剤師を病棟業務で経験を積ませることができるようになります。

DI業務

直接患者を相手にすることが少ないため、時間を区切りやすい業務だと思います。

資料作成などのデスクワークも多く、すでに実際に活躍されているママ病院薬剤師も多いのではないでしょうか。

入院支援加算業務

2018年度診療報酬改定で「入院時支援加算」が新設され、算定要件の一つに「入院前に服用薬を確認すること」が含まれていました。

病院経営に大きなメリットがあるため、入院前の服用薬確認を積極的に進めている病院が多いです。

「外来患者」の服用薬確認なので、外来時間中に終わる業務としてママ病院薬剤師の活躍が期待されています。

外来化学療法

これまでの抗がん剤業務は調製業務がメインであり、曝露の問題などからママ病院薬剤師には縁がない業務でした。

しかし、2020年度診療報酬改定で「連携充実加算」の新設により、外来がん患者への指導で診療報酬が算定できるようになました。
抗がん剤の調製ではなく、「指導」でママ病院薬剤師の活躍が期待されています。

こちらも、「外来」がん患者への指導なので、時間外にもなりにくいです。

やくごろう

看護師さんも、外来業務はママさんが活躍していますね

ママ病院薬剤師がキャリアで取るべきおすすめの認定           

ママ病院薬剤師の認定取得で不利な点
  • 学会や研修会に参加する時間がない
  • 病棟を担当しないため、症例への継続した介入が難しい
  • 研修施設への研修に行きにくい

これらのハンデを抱えるママ病院薬剤師におすすめの認定を紹介します。

研修認定薬剤師

最もハードルが低く、調剤薬局薬剤師と共通の認定制度

詳しくはこちらの記事で解説しています。

>>>日本薬剤師研修センター【研修認定薬剤師】を病院薬剤師が取るべき理由

日病薬病院薬学認定薬剤師

単位数はある程度必要だが、e-Learningの活用で十分取得・更新できる認定

症例や学会発表は必要なし

詳しくはこちらの記事で解説しています。

>>>【日病薬病院薬学認定薬剤師】取り方と注意点!体験をもとに解説

NST専門療法士

有名な認定専門領域の中で、更新が楽なのが一番のポイント

更新には単位のみ必要。症例や学会発表は不要。
特定の疾患領域に限定されないため、どこでも活躍できる。
取得時に研修施設で40時間の研修が必要。

一度取得さえできれば、維持しやすいので非常におすすめです。

>>>【実体験あり】NST専門療法士を病院薬剤師が取得する方法

やくごろう

やくごろうも実際に持っています

外来がん治療認定薬剤師

がん領域でママ病院薬剤師が最も取りやすい認定
研修認定施設での研修は不要だが、症例の提出必要

一度取ってしまえば、更新は単位のみ

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師も人気な認定ですが、研修施設での研修や更新時の症例提出など、維持するハードルが高い…

ママ病院薬剤師におすすめの勉強法

院内の薬事審議会の議事録に目を通す

最も簡単に院内の採用薬に詳しくなる方法です。

議事録には、採用された理由や経緯が書かれているはずです。
読むのにそれほど時間はかからないはずなので、是非やってみてください。

疑義照会の内容を定期的にチェックする

特に調剤業務に従事するママ病院薬剤師におすすめの方法です。

時短勤務中などは、他のスタッフと情報共有する機会が減ると思います。
過去の事例をチェックすることで、似たような事例で効率よく対応できるようになります。

新薬ニュースを見る

新薬について手っ取り早く知るのであれば、ニュースを流し読みすることをオススメします。

やくごろうも新薬ニュースをまとめています

Web勉強会・Web学会

最近では、実際に足を運ばなくてもオンラインで勉強会や学会に参加できる機会が増えました。
ママ病院薬剤師に追い風なので、是非利用しましょう。

若手用ですが、学会/勉強会での効率的な勉強方法は過去の記事で解説しています。

>>>若手病院薬剤師がやるべき学会/勉強会での勉強法

DI業務はこれらの情報が全て自動で入ってくるのでおすすめ

ただ、希望者全員がDI業務を担当できるわけではないと思います。

DI業務に必要とされる、資料作成スキルを磨きながらチャンスを待ちましょう

やくごろう

他にもあったら、随時紹介していきます

これからママ病院薬剤師になる人へ

病院薬剤師か薬局薬剤師か

これからママになる薬剤師の方の多くは、就職もしくは結婚・妊娠などのタイミングで病院薬剤師か、調剤薬局薬剤師か考えることがあると思います。

どちらも素晴らしい仕事であることは間違いなく、人によって大切にするものも違うため、どちらが正解ということはないです。

就職してから「こんなはずじゃなかった!」を防ぐために、就職先を選ぶ際に、希望したことができる職場かどうかを見極めることが大切だと思います。

病院薬剤師の就職先選び方は、こちらの記事で解説しています。

>>>病院薬剤師が失敗しない就職先の選び方

ちなみに、やくごろうの妻は…

新卒で病院薬剤師として就職し、結婚を機に調剤薬局へ転職しました。

調剤薬局へは、「勉強」の優先順位を下げて、できるだけ待遇のいい調剤薬局を転職エージェントを利用して探していました。

転職した結果、やはり病院薬剤師の経験があるママ薬局薬剤師は強いみたいです。

現在、かなり満足度は高そうです。

>>>薬剤師転職サイトの大手3社を体験をもとに比較

ママ病院薬剤師になる人へ知っておいてほしい事

やくごろうは優秀なママ病院薬剤師に囲まれ仕事をしています。
とても優秀なママ病院薬剤師でも、病院薬剤師としてキャリアを築く上で不利なことがあるのも事実だと思います。
(もちろん、病院薬剤師に限った話ではありませんが)

病院薬剤師はキツい、辛い

そんなイメージが先行し、キャリアを諦めてしまうママ病院薬剤師たちにもたくさん出会ってきました。

しかし、実際は本当に多くのママ病院薬剤師が活躍しており、職場でも引っ張りだこです。

このブログが、ママ病院薬剤師のキャリアに少しでも役に立てれば幸いです。

病院薬剤師が年収を上げるための「職場」の力

このサイトでは、病院薬剤師が年収をあと150万円あげる3つの力について解説しています!
3つの力のうち、本当に知っておいてほしい「職場」の力について現役病院薬剤師やくごろうがまとめています。