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【成功事例】病院薬剤師はやりがいない?活躍する場面5つを解説

こんな方へ
  • 病院薬剤師はやりがいないの?
  • 病院薬剤師になったけど、やりがいない!!
  • 若手だけど、病院薬剤師を続けるか悩む…

病院薬剤師はやりがいない?

やりがいを求めて病院薬剤師を選ぶケースはとても多いです。

私もやりがいを求めて新卒から病院薬剤師として働き始めましたが、いざ働いてみると大変すぎてやりがいない!と思う時期もありました

しかし、経験を重ねていくにつれて、病院薬剤師が必要とされている場面がわかるようになり、少しずつやりがいを感じるようになってきました。
私の周りにも、病院薬剤師としてみんなから頼りにされ、成功しているなと思える人もたくさんいます。

そこでこの記事では、病院薬剤師としてやりがいを見出している5つの成功事例について解説します。

この記事を読めば病院薬剤師が実際にどの場面で活躍できるかが全てわかります。

病院薬剤師はやりがいない?そんなことないです!

病院薬剤師のやりがい①:治療設計に参加

薬剤師の数ある職種のなかで治療設計に参加できるのは、病院薬剤師です。

病院に限らず、薬剤師の職務として、「疑義照会」があります。
疑義照会は「処方せんの記載に疑問点や不明点を感じた場合に処方せんの作成者に対して内容の確認を行うこと。」とされています。

処方せんに誤りやミスがないかという認識で行われることが多いかもしれません。ミスの指摘ばっかりするのは、やりがいないですね…。

「ミスではないけど、こっちの方が…」と思うことが多々あると思いますが、そこを提案できるのが病院薬剤師です。

もしあなたが医師だったら、

  1. ミスばっかり指摘してくる薬剤師
  2. 治療内容を一緒に考えてくれる薬剤師

どちらの話を聞きますか?

実際に病院で働いて感じたことですが、治療を決める医師って結構孤独なんですよね…。

治療を決定できる職業は医師だけですし、その治療自体が正解かわからない時も多いです。常に悩みながら患者の治療を決めている印象です。

やくごろう

同じ診療科の医師に相談できればまだいいですが、一人で全部決めろって言われてもつらいですよね…。

特に、専門領域以外の疾患であればなおさらです。

病院薬剤師は、薬物療法については看護師さんよりも詳しい(はず)ので、そんな悩める医師の味方になれる数少ない存在だと思います。

やりがい事例
  • DOAC服用していて胃潰瘍歴ある方です。念のためPPI追加しますか?
  • 薬の種類が多いですね。〇〇と△△は症状がないので中止しますか?
  • アルコール全然ダメらしいです。パクリタキセル→ドセタキセルにしますか?
  • 痛みが強いのを我慢しているみたいです…。オピオイド導入を検討しますか?
  • インスリン2種類使い分けできてないみたいです。混合型インスリンにしますか?

ただ、最終的に治療設計を決定するのは医師なので、判断は医師に任せます

中には「治療のことは全て自分で決めたい」という医師もいるので、やりがいないなと思う時も少なからずあります。そのときはそっと見守って副作用マネジメントに徹するようにします。

病院薬剤師のやりがい②:副作用マネジメント

「薬剤師の仕事」というと、このイメージが一番強いかもしれません。

多くの疾患で「ガイドライン」に標準治療が明記されており、その領域専門の医師が治療を行います。よほどのことがない限り、エビデンスレベルの高い標準治療を薬剤師の意見で変更することはないでしょう。

病院薬剤師になりたての頃はこの事実に気づき、やりがいないなと思っていました。

しかし、患者の疾患は一つではありません。入院のきっかけになった疾患とは別に、いくつかの合併症があることがほとんどです。

医師もその全てを把握するのはほとんど不可能です。(たまにできる医師がいるのが恐ろしいですが…)

患者の薬物療法をトータルで考えて副作用マネジメントできるのは、病院薬剤師のやりがいと言えます。

やりがい事例
  • 採血で腎機能落ちてきましたね。NSAIDsをアセトアミノフェンにしますか?
  • カリウム下がり気味ですね。漢方は一旦中止しますか?
  • 薬疹かもしれません。開始時期から、被疑薬は〇〇の可能性が…
  • 手足症候群出てきましたね。ステロイド外用剤始めますか?
  • CT読影で血栓症疑いって書いてありましたね。ラロキシフェン中止しますか?

最近では、処方せんに検査値を印字させて調剤薬局でも副作用マネジメントできるようになりつつあります。

しかし、まだまだ「疑義照会」の範疇となることが多いので、明らかに禁忌や減量基準に該当していなければ問い合わせしにくいのも事実だと思います。

病院薬剤師の副作用マネジメントは、「副作用を発見する」よりも、「副作用が起きないようにする」が大きなやりがいだと思っています。

病院薬剤師のやりがい③:患者の味方に

医師が患者を診察できる時間は限られています。
大まかな治療内容の説明で終わってしまうケースがほとんどです。

入院中であれば医師と何回も顔を合わせるのでいいのですが、外来では次の受診まで聞くことはできません。

やくごろう

この現象は特に、抗がん剤治療で多い印象ですね…。

これから抗がん剤治療を受ける人で多いケースは

  • 抗がん剤をすると言われて、その他の話は頭に入ってこなかった
  • どんな副作用が予想されるのか
  • 日常生活で気を付けることは?

などなど、本当に聞きたいことを聞けない人が多いです。

調剤薬局で質問される患者さんもいますが、カルテが見れない調剤薬局では答えに苦労するケースも多いですね。

また、患者の背景を考えて薬の提案をできるのも病院薬剤師のやりがいだと思います。

基本的な薬の選択は、「標準治療」か「医師が使い慣れた薬」で選ばれるケースが多いです。患者背景を考えて、よりよい選択肢を提案できるのも病院薬剤師のやりがいだと思います。

やりがい事例
  • 車を運転する方なので、眠気の少ない〇〇はどうですか?
  • 職人さんなので、手足症候群が少ない〇〇の方がいいですか?
  • ご家族が薬の管理をしているので、朝夕食前に用法まとめますか?

細かいことも多いですが、患者さんに感謝されることが多いので大切なやりがいの一つです。

病院薬剤師のやりがい④:専門領域でエキスパートに

がん、緩和、感染、栄養など…薬剤師には多くの専門領域があります。

そのほとんどは、病院薬剤師でなければ認定や専門の資格を取れません

やくごろう

たまに薬局薬剤師の方でも専門領域で活躍されている方もいますが…相当な努力をされていることと思います。

学会でも、講演するような薬剤師はほとんどが病院薬剤師です。

専門領域のエキスパートになると、他の薬剤師のみでなく他の職種からも頼りにされることが多くなります。もしその領域が好きであれば、「好きなことを仕事にできる」最大のチャンスです。

たまに、「専門をとっても仕事が増えるだけでやりがいない」という方もいますが、いざみんなから頼りにされるとまんざらでもなさそうですね。

病院薬剤師のやりがい⑤:他職種と連携

調剤薬局には薬剤師と事務さんしかいませんが、病院には医師、看護師、リハビリスタッフ、栄養士、医事課など本当に多くの職種の方がいます。

自ずと薬物療法以外の知識も入ってきますし、治療の全体像をみることができます

特に、看護師さんとは関わる機会が一番多いのですね。

基本は患者のために仕事をする薬剤師ですが、それと同時に看護師さんがミスしないように、手間が増えないように薬物療法を設計すると感謝してもらえるので、大切なやりがいの一つです。

やくごろう

看護師さんにミスを防いでもらったことも数知れず…。

職場に薬剤師以外の方がいると、気分的にも少しオープンになれる気がしますね。

私個人の経験ですが、薬剤部で人間関係がうまくいかなかった時に、他の職種の方々には本当に助けられました…

病院薬剤師のやりがい⑥:経営・医療安全で病院貢献

どの病院も、経営と医療安全は共通の大きな課題です。

この二つは、病院薬剤師の実績が数字として目にみえる数少ない業務だと思います。

薬剤購入費は病院予算の多くを占め、特にDPC病院では薬の選択が経営に直結します。

採用薬を見直すことで私たちの年収を超える金額が動くことも珍しくありません。

また、病院で起こる

  • 医療事故の9.2%
  • ヒヤリハットの37.1%

が薬剤関連という調査データがあります。(日本医療評価機構2018年度報告)

この二つに貢献できると、薬剤師で数少ない目に見える実績となります。

どんなに頑張っても実績にならなくてやりがいないな…と思っている方は、ぜひこの二つにチャレンジするといいでしょう。

まとめ:病院薬剤師はやりがいある!

ここまで、病院薬剤師がやりがいある事例を紹介してきました。

やりがいを求めて病院になったはいいけど、

  • 給料安いし
  • 治療を決めるのは医師だし
  • たくさんある薬を全部知るのは無理

だからやりがいない!
と新人の頃は思っていました。

しかし、経験を重ねていくにつれて、病院薬剤師が必要とされている場面がわかるようになり、少しずつやりがいを感じるようになってきました。

定年まで長く働くわけですから、やりがいは大切だと思います。

とはいえ、大変なことも多すぎるくらいにありますが…

>>>【多すぎ】病院薬剤師が大変なこと15選!あなたは耐えられる?

病院薬剤師が年収を上げるには、職場選びが重要です。

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