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【現実】薬剤師の転職回数は多いと不利!3つの理由を現役薬剤師が解説

こんな方へ
  • 薬剤師の転職回数は重要?
  • 転職回数の目安はどのくらい?
  • 転職回数を増やしたくない…

「薬剤師は転職が当たり前の業界」と言われますが、長いキャリアの中で転職回数が多すぎて転職が不利になり悩むケースは多いです。

現役病院薬剤師のやくごろうも実際に転職を経験し、その後職場で多くの採用現場を見てきましたがましたが、やはり転職回数が多いと転職に不利になると思いました。

そこで今回、「薬剤師の転職回数が多いと不利な3つの理由」について解説します。

この記事を読めば、

  • 転職回数が多い薬剤師が不利な理由
  • 転職回数の目安
  • 転職回数よりも重要な転職理由

がわかります。

さらに、薬剤師が転職回数を増やさないためにやるべき2つのことも解説します。

転職回数の多い薬剤師は確実に不利です…。今から対策していきましょう!

薬剤師の転職回数が多いと不利な3つの理由

「薬剤師は転職が当たり前の業界」
と言われ、転職サイトによっては
「転職の回数は関係ない!」と書かれているのも見かけます。

しかし、実際は転職回数が多すぎると転職が不利になります。

突然ですが、
あなたがもし採用側だったら、下記のAさんとBさんのどちらを採用しますか?

  • Aさん
     薬剤師5年目、転職回数3回目
  • Bさん
     薬剤師5年目、初めての転職

(人柄は同じと仮定します)

きっと多くの人が、
Bさんを採用するのではないでしょうか。

採用側は、転職回数が多い薬剤師に対して3つのことが不安になり、この理由で不利になります。

薬剤師の転職回数が多いと不利な3つの理由を解説します。

やくごろう

是非、「採用側」の気持ちで読んでください。

転職に不利な3つの理由
  1. その人自身に何か問題がある?
  2. 長く勤めてくれるのか?
  3. ちゃんとスキルが身についているのか?

転職回数が多い薬剤師が不利な理由:①その人自身に何か問題がある?

採用側は、
「問題のある人を採用したくない」と考えています。

  • コミュニケーションがとれない
  • 仕事ができない

など、問題のある人を一人でも採用してしまうと職場の雰囲気が悪くなり、今いる大切な職員にも不利益が生じてしまうからです。

しかし、いくら人事担当でも、見学~面接の少ない機会であなたのキャラクターを見抜くのは無理です。

そこで、職場でうまくやっていけるかどうかの指標の一つになるのが「転職回数」です。

やくごろう

やくごろうの上司は
「仕事はそのうちできるようになるから、人間ができている人がほしい」が口癖です。

転職回数が多い薬剤師が不利な理由:②長く勤めてくれるか?

採用側は、転職回数の多い薬剤師に対して「せっかく採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」と思います。

薬剤師の仕事は、仕事が一人前にできるようになるまで何年と長い時間がかかります。教育に長い時間をかけたのに、退職されては今までの時間が無駄になってしまうのです。

「すぐに辞めてしまう薬剤師」を積極的に採用する理由はないですよね。

転職回数が多い薬剤師が不利な理由:③ちゃんとスキルが身についているか?

単にピッキング作業だけなら、数カ月で満足にできるようになるかもしれません。しかし、薬剤師の仕事は薬や病態の知識が必須であり、これを身に着けるのに何年と長い時間がかかります。

そして採用側は、
薬剤師がスキルを得るのに時間がかかることを知っています。

短い期間で転職を繰り返していた場合、「本当にスキルが身についているのか」疑問に思います。

薬剤師の転職が不利になる回数は?

「薬剤師は転職が当たり前の職業じゃないの?」

「どのくらいから転職回数が多いっていうの?」

そんな疑問が聞こえてきそうですが、もちろん明確な基準なんてありません…。

そこで、10年近く病院薬剤師をしているやくごろうが、今まで出会った多くの薬剤師の情報をもとに、あくまで感覚で答えを出しました。

転職回数は「年齢の10の位−1」が目安

具体的には、

20代 「2」-1=1回
30代 「3」-1=2回
40代 「4」-1=3回
50代 「5」-1=4回

であれば、違和感のない回数となります。

ここに、

  • 女性の場合は結婚などの事情により+1回
  • 病院→調剤薬局はノーカウント

してもいいかもしれません。

やくごろう

確かに20代で2回は多い気が…。

あなたの感覚はどうですか?

客観的な資料として、転職サイト:薬キャリで薬剤師の転職回数が掲載されていました。

20-30代1.7回
40代2.8回
50代3.1回

確かに、やくごろうの周りの薬剤師もこんな感じですね。

やくごろう

薬剤師は人生で1回は転職を経験しそうですね。

薬剤師の転職は回数よりも理由が重要

ここまで、薬剤師は転職回数が多いと不利になる理由と回数を解説してきました。

ここで気を付けなければいけないのが、「転職理由」です。

薬剤師の転職は、一般企業のように書類選考のみで落とされることはほとんどありません。

病院や薬局は職場見学があるので、採用側と直接話す機会があるケースがほとんどです。一応、言い訳をする機会があるということです。

「薬剤師」という転職が一般的な業界であることから、ある程度の転職回数であれば落とされるのは「転職理由」によるものでしょう。

やくごろう

転職するときには100%聞かれます。

※例外として、今人気急上昇中の「調剤薬局の給料で病院薬剤師の仕事をする」日本調剤の”病院派遣薬剤師”は、30代で転職1回が採用条件と聞きました。

病院派遣薬剤師については別の記事で詳しく解説しています。

>>>【やりがい+給料】日本調剤の病院派遣を受け入れる病院薬剤師が解説

実際の転職理由はネガティブであることが多い

「ネガティブな転職理由はよくない」と言われますが、実際はネガティブな理由がほとんどですよね。

  • 人間関係
  • 給料
  • 休み
  • 残業
  • やりたい仕事をさせてもらえない

これらが転職理由で多いですが、そんなこと転職先の採用側は百も承知です。

やくごろう

ネガティブでないと、転職しないですよね。

重要なのは、「採用側が心配する3つの不安を払拭できるか」です。

仮にネガティブな転職理由だったとしても、採用側は「あなたの人柄とこれから前向きに頑張れるか」を見ています。

転職の理由を前向きにする3つのポイントを解説します。

転職の理由を前向きにする3つのポイント

3つのポイント
  1. 他人を批判しない
  2. 長期的な目線
  3. 「今の職場で得たスキル」と「新しい職場でほしいスキル」を具体的に

順番に解説していきます。

他人を批判しない

他人の批判は禁忌です。

今の職場にどんな嫌な人がいても、
どんな理不尽なことがあっても、
新しい職場には関係ありません。

そして、どんな職場にも合う人合わない人が絶対にいることを採用側はよく心得ています。

仕事仲間を批判するような人柄かどうか、あなたが試されています。

やくごろう

仕事仲間を批判するような人には、働いてほしくないです。

私が転職したときは、こんな感じで話しました。

採用側:「今の職場の人間関係はどうでしたか?」

やくごろう:「今の職場では様々なキャラクターのスタッフがおり、学びが多くありました。特に、大切にするものが違うのは患者さんも職員も一緒であると痛感しました。社会人として、一人の大人として、職場の輪の中でお互いを尊重しながら働いていきたいです。」

長期的な目線

「次の転職先では長く勤めるつもり」という気持ちを全面にアピールしましょう。

特に、転職回数が多めの人は今までの職場と比較するといいですね。

採用側:「転職回数多いですね…」

やくごろう:「御社の労働環境であれば、5年後、10年後を見据えて長く働けると思い転職を決めました。」

「今の職場で得たスキル」と「新しい職場でほしいスキル」を具体的に

“具体的に”がポイントです。

  • 採用側にあなたの仕事ぶりをイメージしてもらうため
  • 転職の理由がスキルアップであることをアピールするため

採用側:「今の職場ではどんな業務をしていましたか?」

やくごろう:「今の職場では〇科の化学療法や〇〇科病棟は経験することができました。自分のキャリアにおいて〇科や慢性期の経験も必要だと考え、転職を決意しました。」

薬剤師が転職回数を増やさないためにする2つのこと

転職回数が多いと不利になります。
望んで転職回数を増やす人なんてほとんどいません。

やくごろう

なるべくなら、転職回数は少なくしたいですよね。

ここから、薬剤師が転職回数を増やさないためにする2つのことを解説します。

転職回数を増やさないために
  1. いい職場に出会う
  2. 自分の市場価値を把握

転職回数を増やさないために:①いい職場に出会う

「当たり前じゃん!!」という声が聞こえてきますが…

今のあなたの職場は、いい職場ですか?

いい職場とは、

  • スキルアップができる
  • 人間関係がよい
  • 残業が多すぎず働いた分ちゃんと給料が出る
  • 産休育休の薬剤師がちゃんと復帰してくる

こんな職場だと思います。

やくごろうが思う、いい職場の見分け方は別の記事で詳しく解説しています。
>>>病院薬剤師が失敗しない職場の選び方

今の職場がいい職場でなければ、将来の転職回数を増やさないために、早めにいい職場を見つけることが重要です。

いい職場が見つかったとき、年齢が若ければ転職しやすいのは事実です。

やみくもに転職するのではなく、若うちから「探し続ける」ことが重要です。

やくごろう

「転職回数1回」をどこで使うかですね。

※女性の場合、産休育休も見据えて…

女性で産休育休を考えている方は、転職後すぐの産休育休は気まずいため、より早めに探すことをおすすめします!

転職回数を増やさないために:②自分の市場価値を把握

「いい職場の条件はわかった。でも全部を満たす職場なんてない!」

「今転職するかどうか迷う…」

というケースは多いです。

こんな時は、「自分の市場価値」を診断することをおすすめします。

「自分の市場価値」は、転職サイト経由で転職エージェントに相談することで、無料で診断できます。

転職サイトで取り扱いのある中小病院、調剤薬局の中から、「今あなたが転職するとしたら年収やその他条件はどうなるか」がわかります。

  • 自分の市場価値 < 転職先の条件

の場合は、長期目線で細かい条件や雰囲気を転職エージェントに質問して再度検討します。

  • 自分の市場価値 > 転職先の条件

の場合は、おとなしく今の職場で頑張ればいいだけです。

※転職サイトでは大学病院など大病院はほとんど扱っていないため、都道府県病院薬剤師会のサイトで確認しましょう。

  • 「転職しなくても転職エージェントに相談してもいいの?」
  • 「転職を無理矢理勧められそう」
  • 「連絡が面倒くさそう」

と思う薬剤師に向けて、やくごろうが転職サイト大手三社を実際に利用した体験を別の記事でまとめています。
>>>【リスクなし】薬剤師が自分の市場価値を診断するたった1つの方法

やくごろう

やくごろうは
「市場価値>転職先の条件」
だったので、おとなしく頑張っています。

まとめ

薬剤師は転職が一般的な業界ですが、転職回数が多すぎると

  • その人自身に何か問題がある?
  • 長く勤めてくれるのか?
  • ちゃんとスキルが身についている?

と疑われ、転職が不利になります。

転職回数の目安は「年齢の10の位−1」ですが、それよりも転職理由が重要です。

常に「いい職場」を探しつつ「自分の市場価値」を把握しておきましょう!

病院薬剤師が年収を上げるには、職場選びが重要です。

このサイトでは、病院薬剤師が年収をあと150万円あげる3つの力について解説しています!
3つの力のうち、本当に知っておいてほしい「職場」の力について現役病院薬剤師やくごろうがまとめています。