- 最近、知識不足を実感する…
- 忙しくて勉強する時間がない
- 効率のいい勉強法を知りたい
仕事が忙しくて勉強できず、知識不足だな…と感じる薬剤師はとても多いです。
実際、総合病院で薬剤師として働く私は、扱う薬と疾患の多さにはいつも頭を悩ませています。
そこでこの記事では、現役病院薬剤師やくごろうが7年間で身につけた、時間がない薬剤師向けの知識不足にならない6つの勉強法を解説していきます。
この記事を読めば、忙しくて時間がなくてもできる勉強法がわかり、知識不足をより簡単に防ぐことができます。
知識不足を解消し、薬剤師としてスキルアップしましょう!
薬剤師が知識不足になる3つの原因
最近、知識不足だな…と思うことはありませんか?
薬剤師が知識不足になる原因は、ほとんどがこれから説明する3つが原因です。
- 勉強する時間なくなった
- やる気がなくなった
- 仕事に慣れてきた
知識不足になる原因①勉強する時間がなくなった
薬剤師のルーチン業務は忙しいです。
病院や薬局の仕事では、歯車の一つとして業務を回すことに精一杯となり、疑問に思ったことを調べる時間なんてないですよね。
当然、調剤するときに用法用量などは調べなければいけませんが、
- なぜその薬が処方されているのか
- その薬の治療上の位置づけ
- 他剤との使い分け
までは調べているヒマはないと思います。
業務中にこれをゆっくり調べていたら怒られますね。
さらに、薬剤師歴を重ねるほどプライベートも忙しくなります。
薬剤師になりたての頃は、
「仕事が終わってから少しだけ勉強…」なんてことをしていた方も多いはずです。
しかし、キャリアを重ねるうちに、
仕事が増え、家庭をもち、子育ても…
自由に使える時間がどんどん減っていき、勉強や調べたいことがあっても後回しになってしまいます。
後回しにしていくうちに、勉強したかったことすら忘れてしまうことも多いのではないでしょうか。
知識不足になる原因②やる気がなくなった
新人薬剤師のころは「勉強したい」と前向きな気持ちがあっても、経験年数が増えるにつれて前向きな気持ちをなくす薬剤師は多いです。
あなたの周りに、「昔はよく勉強会や学会に行ってたんだけどな…」と言っている知識不足の先輩薬剤師はいませんか?
特に、やる気がなくなってきた薬剤師は
- 業務でよく扱う薬
- 業務でほとんど扱わない薬
をはっきり区別しているケースが多いです。
よく扱う薬については、特に努力することなくMRさんなどを通じて新しい情報に触れる機会が多いかもしれません。
しかし、ほとんど扱わない薬については、自分から進んで勉強する努力をしないと情報が入ってこないため、いずれ知識不足になります。
さらに、あなたがよく扱う診療科の処方であっても、「昔一度勉強してそのまま…」というケースも多いです。
医療は日進月歩で日々アップデートされていくので、しばらく勉強しないと「いつの間にか標準治療が変わっていた」なんてことが起こります。
知識不足になる原因③仕事に慣れてきた
仕事に慣れてくると、知識不足でも「なんとなくその場をしのぐスキル」が身についてしまうものです。
治療上の位置づけや特徴を知らなくても、禁忌や用法用量を知っていれば「ダメではない」ので特に困ることなく業務はできるかもしれません…。
仕事に慣れてきたあなたは、特に誰かから知識不足であることの指摘を受けることなく、知識不足であることに気づくことすらないかもしれません。
薬剤師が知識不足にならない6つの勉強法
ここからは薬剤師のあなたが知識不足にならない6つの勉強法を解説します。
時間がない薬剤師に向けて、なるべく誰でも時間をかけずに簡単にできる方法を紹介していきます。
- 添付文書をアプリですぐみる
- 他の薬剤師に聞く
- 新薬情報をチェックする
- 医療ニュースに目を通す
- 勉強会・学会に参加する
- 英語論文を読む
知識不足にならない勉強法:①添付文書をアプリですぐみる
調剤時やカルテを確認しているときに「この薬なんだっけ…?」と思っても、うやむやにすることはありませんか?
添付文書を確認することは基本中の基本です。
しかし、添付文書をいちいち見るのは面倒ですよね。
調剤棚などすぐ読める場所にあればいいのですが、いつもすぐに読めるとは限りません。
そんな時に活躍するのが、スマホ版添付文書アプリです。
最近はどこでも、さっと見ることができる便利なアプリがあります。
この二つが有名ですね。
「疑問に思ったときに添付文書をさっと見る」という作業の積み重ねが、将来の知識不足を防ぐ勉強になります。
知識不足にならない勉強法:②他の薬剤師に聞く
全ての疾患領域を把握することは不可能ですよね。
必要な知識を得る最も簡単な方法は、「他の薬剤師に聞く」ことです。
他の薬剤師に聞くことで、
- 最も簡単に疑問を解決できる
- 考え方や考えるポイントが分かる
というメリットがあります。
あなたの周りに、その分野に詳しい薬剤師がいるなら是非教えてもらいましょう。
勉強法や調べるポイントも一緒に教わることで、自分で調べるよりも効率的に知識不足を解消できると思います。
もちろん人に頼りすぎもよくないですが、「お互いに協力しながら」という姿勢でいれば協力できるいい関係を築けるでしょう。
知識不足にならない勉強法:③新薬情報をチェックする
医療は常に進歩し、新薬も数多く出てきます。
新薬の情報をチェックしておくことで、疾患の最新治療を把握しておくことができます。
しかし、新薬は本当に多くの数が登場し、中には今後扱うことがなさそうな希少疾患の治療薬まで含まれているので、新薬の勉強は結構大変です…。
新人薬剤師のうちは新薬についてよく勉強したけど、最近はさっぱり…という薬剤師は多いのではないでしょうか。
1、2年も新薬の勉強をサボると、新薬が発売されたことを
- 「処方せんに知らない薬が書いてある」
- 「いつの間にか病院で新薬が採用になっていた」
といったタイミングで知ることもあります。
新薬が発売されていることに気づき、適応や用法用量を知りたい場合は添付文書をみればすぐにわかります。
しかし、新薬が発売されていること自体に気づかなければどうしようもありません。
多くの薬剤師は、新薬を実際に扱うときに初めて知ることになりますが、扱わない期間は全くの知識不足になってしまいます。
新薬が発売されたことすら知らない知識不足を防ぐために、「新薬の承認情報」に目を通すことをおすすめします。
新薬の承認情報は、厚生労働省:薬事食品衛生審議会のページや医療ニュースサイト(ミクスオンラインなど)で確認できます。
>>>厚生労働省;薬事・食品衛生審議会
>>>ミクスオンライン
※「薬事食品衛生審議会」は承認申請があった新薬について了承するかしかいか判断する会議であり、この判断をもとに厚生労働省が承認を判断します。>>>(参考)新薬の承認情報をいち早く得る方法
これから世の中に出てくる新薬は上記のページで知ることができますが、全部勉強するのはさすがに無理ですよね。
まずは、「どんな特徴がある新薬なのか」をざっくり把握しておき、詳しい作用機序や用法用量はいざ扱う時に調べればいいですね
このサイトでは、薬事・食品衛生審議会で検討された新薬の特徴やポイントについて、幅広い薬を扱う総合病院薬剤師の視点でざっくりまとめています。
忙しくて調べる時間がない薬剤師の役に立てばと思います。
やくごろうの知識不足を防ぐ目的もありまとめています。
さっと目を通しておくことで、どんな薬が世の中に出てきたか幅広く知ることができ、最新治療の知識不足も防げるでしょう。
知識不足にならない勉強法:④医療ニュースに目を通す
あなたは医療ニュースを毎日読んでいますか?
医療ニュースに目を通す薬剤師は意外と少ないです。
医療ニュースでは、新薬の承認情報だけではなく、
- 最新の治療エビデンス
- 診療ガイドラインの変更
- 診療報酬など制度の改定
- 現在の医療トピック
など、薬剤師として働く上で重要な最新情報を得ることができます。
無料で読めるサイトをブックマークしておき、見出しだけでも確認しておくことをおすすめします。
短時間で読めて最新情報が自動的に入ってくるので、継続すれば将来大きな差になっているでしょう。
ほとんどの医療ニュースサイトは医療現場で働く薬剤師以外にも、製薬業界向けにも作られているので、
- 製薬企業の経営
- 製薬企業の人事
ついてのニュースも多くありますが、これらは一旦無視して関係のある見出しだけ読みましょう。
現場の薬剤師とは関係のないニュースが多くて読みにくいサイトもありますね…
医療ニュースのサイトはいくつかありますが、やくごろうは
- ミクスオンライン(ニュース全般)
だけはブックマークして毎日見出しを読むようにしています。
いろいろある医療ニュースサイトの中で、会員登録も不要で最も見やすいサイトです。
その他にも、
- m3/臨床ダイジェスト(最新治療、ガイドライン改定など)
- 日経メディカル/海外論文ピックアップ(最新治療エビデンス)
- がんなび(がん領域)
は定期的に目を通すことをおすすめします。
気づいたら診療ガイドラインが改定になっていた!なんてことがないように、日々の積み重ねで知識不足を防ぎましょう。
知識不足にならない勉強法:⑤勉強会・学会に参加する
勉強会・学会への参加は、自分が欲しい知識をまとめて効率よく勉強できるとてもいい機会です。
参加する勉強会や学会を選ぶことができるので、興味のある分野について最新の情報を勉強できます。
最近はオンラインが多いので、忙しいママさんでも参加しやすくなりましたね。
しかし、勉強会の中には医師向けであったり、内容がとても難しい勉強会もあると思います。
特に、新人薬剤師の方などでベースの知識がないと、
「せっかく勉強会に参加したけど難しすぎてよくわからなかった」
ということになりかねません。
新人~若手薬剤師の方向けの、勉強会・学会での勉強法は別の記事で解説しています。
知識不足にならない勉強法:⑥英語論文を読む
これは+αですが、英語論文を読むと他の薬剤師や医師が知らない情報を手に入れることができます。
薬でなにか疑問に思ったとき、ネットで検索しても出てこないことは多いですよね。
そんな時、英語なら情報が得られる時があります。
とはいえ、英語なんて読めないし、難しそうだし、時間がかかりそうだし…と思う方は多いと思います。実際に私も抵抗がありました。
しかし、読み方のコツをつかんで、google翻訳をフル活用すれば意外と簡単に読めます。
最近のgoogle翻訳はとても精度が高いですね。
英語論文の簡単な読み方は、別の記事で詳しく解説しています。
>>>【先輩に言えない】薬剤師が英語論文の超簡単な読み方を実例で解説
英語論文をざっくり読めるようになると、他の人が知らない知識を得ることができ最高のスキルアップになります。
英語論文に抵抗がなくなると、人生変わります。
知識不足を解消してスキルアップ
薬剤師にとって、知識不足は致命的です。
新人のころによく勉強していた方でも、年数を重ねるごとに忙しくなり、時間がなくなり…
仕事に慣れてきた20代後半~30代前半くらいで、気づけば知識不足になっていたという方は多いです。
ほとんどの職場は「勉強しても特に給料は変わらない」はずです。
知識不足でもなんとなく業務はこなせることが多いです。
しかし、薬剤師は就職後に給料が上がらないで有名な業界ですよね。
給料を上げるには、
知識不足を解消し→認定などスキルアップ→給料の高い職場に転職
が最も現実的な方法ではないでしょうか。
今回紹介した勉強方法は、どれも時間をかけずに簡単にできる勉強法です。
知識不足を解消する習慣を身につけ、スキルアップしていきましょう!
このサイトでは、病院薬剤師が年収をあと150万円上げる3つの力について解説しています!
3つの力のうち、本当に知っておいてほしい「スキルアップ」の力について現役病院薬剤師やくごろうがまとめています。